それは一ヶ月程前の出来事。
夕食時、とても混み合ったレストランでした。
ここでは食事と共に美味しい地ビールが楽しめると人気の店。
せっかくピエモンテにいる事だし、メニューを見ながらこれだ!と即決したのは“肉のカルパッチョ”。
肉もビールも最高、ただしそれを台無しにするオリーブオイルにがっかり。
テーブルにあったのはエキストラバージンオイルだったけど、
変な臭いで質も悪いから私の美味なカルパッチョには絶対合わないと思った。だから“美味しい”オイルはないかと尋ねてみたけど、これしかないという答え。結局、お肉の純粋な味だけをシンプルに味わう事に。
ここに美味しいオイルさえあればもっと豊かな食事になっただろうに、と
残念に思いながら…。
同じテーブルで食事している人たちを見ても、オリーブオイルに不満を持つ者は誰一人いなかった。
レストランではなかなか美味しいオリーブオイルに出会えない、その理由がわかったようだった。
ワインの品質の善し悪しがわかる者は大勢いるけれど、オリーブオイルの大切さがわかる者は少なすぎるのだろう。
そこでトスカーナの“美味しい”オリーブオイルを生産する、私たちラ マリオーザ農園では数種類のエキストラバージンオイルの試食会を行った。
指導してくれたのはマストロオレアリオ(オリーブオイルのテイスター)、ファウスト ボレッラ氏。
オイルの分析、意見交換、試飲など、この貴重な機会で得た内容は以下:
- 年間のオリーブオイル消費量は一人当たりおよそ14kg。その大部分は、しかし低級なオイルと思われる。
それは腐ったオリーブから搾油される期限切れのオイルとも言える。
このようなオリーブオイルはローマ時代には奴隷が消費するものだった。 - 高品質と呼ばれるオイルは、ポリフェノールを多く含み、栄養価が高く、味
のバランスが良い。 - ぴりっと刺激のあるオイルは、ポリフェノールを多く含む。
- 美味しいオイルは、苦み、甘み、辛みをバランスよく含んでいる。
- 苦みと辛みは2つの要素は、試食だけでわかる。
- オイルの色合いは品質に関わりなく、試飲の際には考慮されない。
- 香りと味は必ずしも一致するものではない。
- オイルの持ち味は、フルーティーさ、苦み、甘み、辛み、円みである。
- オイルには食品を引き立てる役割がある。デリケートな食材には軽めを、味 の濃い食材には濃厚なオイルを合わせると良い。
- 炒め物には軽めのデリケートなオイルが良い。
- エキストラバージンオイルは、生で食すのが好ましい。
もちろん、近いうちに新もののオリーブオイルでテイステイングをしたいと思っています。今回のような、体感旅行が私たちと同じ考えを持った
“高品質&美味しい食品”を愛する皆さまを感動させることが出来るかもしれない、と思うと最高です。